こんにちは、シャトーブリアンです。
野犬に闘いを挑まれて、本当に死ぬかと思ったっす・・
マレーシアの野犬怖ぇぇぇ
とある日の夜、近所のテキサスチキンへと食べに行った帰り、野犬と出会ってしまったのです。夜も深まった深夜2時前の出来事。
家からテキサスチキンまでは歩いて10分ほどの距離で、行きしにもこの犬たちの横を通ったんだけど特に問題なく。
で、おなかも満たされた帰り道、再び野犬に出会う。
歩道にぽん、ぽん、ぽんといる3匹の犬。存在だけでも恐ろしいので、車道にはみ出してかなり距離をとって避けるように通り過ぎる。
信号があったので立ち止まったんだけど、「こんな夜中の信号無視すればよかったぁぁぁ」と後々激しく後悔することに…
青:立ち止まった短い信号
赤:闘いの舞台
信号待ちの間、気になるのは背後にいる野犬たち。大きく距離をとって避けたものの、位置的には近いので背中が落ち着かない。青になるのを待ちながら何度も振り返る。
その幾度目かに振り返ったとき、目が合いロックオンされてしまった。
今まで座っていた犬たちが一斉に立ち上がり、そろりそろりとこっちに向かってくる。
ヤバい・・
そろりそろりのスピードに合わせて、こちらもそろりそろり。
敵に背は向けられないので、後退りという不利な体勢。
すると、急にスピードをあげて近づいてきたイッヌ2匹。
背を向けて走ったら負けだと思い、大声で威嚇してみた。ベトナムでよくベトナム人が犬を追い払うときにやっていたのをココで思い出したのだ。
「きゃぁぁぁ」
すると、立ち止まる野犬たち。
「おっ!」と効果を感じつつ1歩後退ると、前よりもっと近づいてきた。そして、吠え出したぁぁぁ。バウのような顔をした犬なんだけど、吠えると迫力が一気に増す。
1匹は守り役なのか先ほどの歩道からは動かず、2匹で攻めてくる。
アイツらの1歩に「きゃぁぁぁ」という叫びで対抗するんだけど、だんだん効果が薄れてきたのか、どんどん近づいてくる。
マンションの入り口はすぐそこなんだけど、ちょびちょびと下がるこの1歩では果てしなく遠く、一向に辿り着けない。
それに2匹の犬を蹴散らすためには相当の「きゃぁぁぁ」が必要で、そんな大きな声を出そうと思ったら、立ち止まって全身に力を入れないといけない。歩きながら大声で叫ぶなんてのは無理で、なおさら進まない。
マンションの入り口には警備員さんが常駐しているので、「助けに来てくれよ」という願いも込めて叫んでいるんだけど一向に現れず・・
野犬の距離の詰めかたがどんどんひどくなってきたので、それに合わせて叫び声も増していく。これが犬たちの闘争心を煽ってしまったのか、もう1mぐらいの距離で吠えてくる。
何がそんなに怖いかというと「狂犬病」
発症したら致死率100%らしいけど、予防接種なんて受けてないよぉぉぉ
イッヌがワンジャンプしたら噛まれるという距離感。
叫び声に加えて、持っていた財布を振り回すぐらいしか防ぐ手立てがない。
叫ぶ、振り回す、1歩さがる、叫ぶ、振り回す、1歩さがる、を繰り返すのみ。
深夜2時、車が1台も通ってくれない。
深夜2時、悲痛な叫びが響き渡るが誰にも気づかれない。結構うるさいぜ?
死闘を繰り広げる野良犬とあほな女。
『こんな女に噛み付いたところでなんの得もないぜ?それに、こっちが危害を加えるなんて滅相もないし、貴方様方のテリトリーを犯すつもりもない。なぜ今闘わなければならないのか、この闘いに意味はないよね?』
と話したい。
平和的解決希望。
吠える犬に叫ぶ女、両者引き下がらぬままヒートアップしていく。
そもそも1対2って卑怯じゃね?w
2方向からの攻めに応えるのってホンマに忙しい。ただ、もう1匹が参戦しなかったのは不幸中のマジ幸い。きっともう1匹いたら、チームプレーなんかされて、もうこの世にはいなかったかも・・
と、ここで車が一台通り、しかも立ち止まって窓を開けてくれるという大大大チャンス到来!!!
ついにこの叫び声が神に届いたようだ!
いや、交差点内の車に届いたのだ!
とはいえ、交差点奥の車線はここからでは遠い。それでも「助けて〜!」と手を振りたいんだけど、イッヌたちから1mmも視線を離すことはできない状況。視界に車を捉えつつ、犬のうしろ遥か先にいる車に伝えるには?
A:助けてと叫ぶ
っていう簡単な答えがこのときは出てこなかった。
どうやら「きゃぁぁぁ」以外の言葉を失ってしまっていたようだ・・
でもでも、視界の隅では車から人が降りてきて、こっちに近づいてくるというラッキーセブンを迎えた。脳内はチャンスマーチが響いている♪
期待に胸を膨らませて待っていると、なんと選手退場・・
え、どしたどした??
『女性が誰かに襲われているのかもと思って助けに行こうとしたけど、野犬と気づいて引き返した説』これが濃厚なのかしら・・
視界の端で巻き起こったショートストーリーに涙しつつ、己の闘いに戻る。
野犬の迫り具合でまっすぐには下がれないし、滑らかではない道に気を使いながらビーサンでの1歩。こんなとこで躓きでもしたら即餌食。
一歩一歩を着実に進め、もうすぐマンションの入り口というところまで来た。
だけど、ゴール直前での油断は禁物。「帰るまでが遠足なのです」を念頭に慎重かつ緩みのない叫びを続ける。
すると、ゴール目前でイッヌ1が止まった。そして、イッヌ2も獲物を見定めながら吠えてはいるが距離を詰めなくなってきた。ついにヤツらのテリトリー外まで進めることができたのか?
よし、これはチャンス。
速度を変えず、視線を外すことなく後退り、そのままマンションの入り口前まで到着。
安心ゾーンまで入った段階で『Fuuu〜!Yeah〜!』みたいな声が聞こえてきた。もちろんオイラの声ではない。
ベランダにギャラリーがいたようだ。「そりゃあ あの叫び声だとそうなるわな…」と思いつつ、届かなくても水鉄砲のひとつでも撃ってほしかったよ、とも思ったり。あ、おイヌ様の逆鱗に触れて戦士が死なぬように配慮してくれたのかな?・・そう思っとこう。
そして、野犬ズの姿が見えなくなったマンション入り口からもエントランスまでは後退り、ようやくゴール!
「Fuuu〜!Yeah〜!」
これはオイラの声。
やりきった感、勝利を手にした喜び、無傷で帰れた安堵など、さまざまな想いを詰めて心で唱える「Fuuu〜!Yeah〜!」
で、警備員さんおるやーん!
スマホ見とるやーん!
代打の切り札使えず・・犬は業務外なのかしら?w
部屋までたどり着いたとき、喉はガラガラ汗びっしょり。
約10分の死闘の末、無傷で生還できたっす。運が良かったっす。まだまだ生きたかったみたいっす。
ちなみに、手に持っていたスマホのカメラがパニックにより起動していたようで死闘時間を確認できた。10分って結構長いよね。気持ち的にはもっと長かったけどさぁ・・
ちなみにiPhoneが撮っていたのはコレ。
どっと疲れがやってきたとともに、テキサスチキンは完全に消化された感じ。アドレナリンが出まくっているんだけど、日本は深夜3時、ベトナム1時で誰にも話せないという時間帯。興奮冷めやらずでなかなか寝られなかった戦士がここに1名。
ホンマにお疲れっ!
夜中の野犬マジでやべぇぇ
下半身を見せながら歩いてくるおじちゃんや急に抱きついてくる男など、変な人が多い町で育ったんだけど、あんなの全然かわいいほうだ。
そう思えるくらい、マレーシアの野犬は怖かった。
もう夜中に出歩くのはやめよう。
いや、お昼間でもあの道は鬼門認定。
犬って匂いに敏感だから、もし覚えていて再び決闘を挑まれたら厄介だしね。
信号を待たずにサッと渡ればよかったなぁぁぁ、夜中にマジメなオイラのバカぁぁぁ泣
そんな真面目なヤツ、野犬について調べてみた。
もし野犬に出会ってしまったら…
今更遅い?
いやいや、常に学ぶ姿勢ダイジ。
\ 走って逃げない /
本能的に獲物を追いかけるので逃げないこと。自転車ですら敵わない場合もあるんだとか・・
\ 大きな声を出さない /
叫んだり大声を出すと犬を刺激することに・・
\ 目を合わせない /
敵対心があると思われてしまうので、目を合わせないこと
\ 静かに下がる /
背中を見せずに静かに下がること
信号待ちで気になって視線を送っていたことからロックオンされ、大きな声で叫んだことにより犬たちを刺激してしまったんだな・・自業自得っすな。
でも、走らずに背中を見せずにゆっくりと下がっていくという選択ができたのは、こちらの本能も優秀だったか?
んなわけないかw
ちなみに、後日タクシーで信号待ちをしていたとき、あのイッヌたち3匹が道でごろごろしていた。
バウみたいっしょ?
って、よく見えないかぁ。でもでも窓越しでも怖ぇぇよ
コイツらと闘ったんす。
ってことで、マレーシアの野犬は怖かったぁぁぁ
救われた命、大事にするなり