こんにちは、シャトーブリアンです。
ムンバイ中の洗濯を請け負っているという「ドービー・ガート」に行ってきた!
ムンバイの洗濯場「ドービー・ガート」
ムンバイの名所ともなっている屋外洗濯場「ドービー・ガート」
「Dhobi Ghat」の「Dhobi」は洗濯人という意味で「Ghat」は川岸や階段という意味があるらしい。
場所はココ。
ホテルから近かったのでぷらぷらと歩いていったけど、電車で行くなら「Mahalaxmi」駅が近い。
洗濯物が見えてきた周辺を歩いていると、『洗濯場は一通なんだよ、こっちだよ』と教えてくれた青年がいた。で、彼に言われた方へと歩いていると、そのまま洗濯場のガイドさんへと引き継がれることになった。
ガイドさんは彼のお父さんらしく、中を案内してくれることになった。
この写真では険しい表情をしているけど、にこやかに英語で説明してくれた。慣れないインド訛りじゃなく、カタカナ訛りにも聞き取りやすかった。
たしか、1人 200ルピーくらいだったかな?ちょっと忘れてしまったけど、案内してほしかったので、ちょうどよかった。
洗濯場の中はこんな感じ!
#洗濯槽
同じ形に区切られた洗濯槽があり、家庭ごとに1つ所有しているんだとか。いくつもあって、番号が振られているものもあった。
「同時に手洗いをする人数 496人」というので世界ギネスに認定されたそうで、洗い場もきっとたくさんあるんだろうなぁ。
#すすぎ
ココはすすぎだっけな?
写真が下手すぎてなんとも思い出せない・・
#脱水機
マシンを使う近代的な技術も導入しているそう。
伝統的な手法と近代技術の融合。
#色ごとに分けて洗濯
色ものは色ごとに洗われる。
黒や赤など、干すときも色ごとに干されていた。
#洗濯ばさみを使わない干し方
干すときは洗濯ばさみを一切使わず、ロープにこのような止め方で干している。
取るときは一瞬で取れるらしく、先人の知恵を感じた。
重いジーンズもこの止め方でちゃんとぶらさがっている。
ってか、この暑い国でジーンズを履くことにもびっくりw
#アイロン掛け
すごーくスピーディーに手際よくアイロン掛けがされていた。
このアイロンは7kgもあるそうで、試しに持たせてもらったら、持ち上げることすらできない重さだった。これをサッサとかけていくなんて、さすが職人。
で、ジーンズにアイロンかけるんだぁ・・ってちょっとびっくりw
#至るところに洗濯物
屋内作業場、屋外作業場、洗濯物を干すスペース、といろんな場所を通った。中は複雑な造りっぽい。
この洗濯場は作業場と居住スペースが一体になっていて、ここで働く人やその家族が 6,000人ほどが暮らしているそう。
洗濯場から近いところに各家庭のおうちがあり、食事を作っていたり、テレビを見ていたり、スマホゲームをしているなど日常が広がっていた。トイレは共同らしく、トイレも案内してくれた。
会う方々に「ナマステ」とあいさつをしたら、「ナマステ」や「Hello」などが笑顔とともに返ってきた。おじさんやおばさん、お兄さんや子どもなどいろんな世代の人がここで生活しているようだった。
ここも洗濯場なんだけど、お風呂のように入っている子どもたちもいた。
作業場は足元が水浸しになっているところもあったりしたけど、濡れずに越えられるようにと手を差しのべてくれたりした。
洗濯場が見える展望台
洗濯場からも干されている服がたくさん見えたけど、この近くの展望台からはもっとよく見えた。
2階建てや3階建ての建物があり、色ごとや種類ごとに分けて干されていた。
こんな高いところで作業している女性も!
ひゃぁぁ、足が竦みそう!
ここにはムンバイ中の洗濯物が集まってくるそう。
ジーンズやシャツなど似たようなものが多い中、これを間違わずに捌ける体制ってすごいよね。
洗濯場でも上の展望台からでも下着類は見かけなかったんだけど、下着は自分で洗う習慣があるのかなぁ?それに、雨の日はどうするんだろう?とか、あとあと疑問が湧いてきて、戻ってガイドさんに聞きたいなぁと思ったくらい。
展望台からは洗濯場だけでなく、後ろに聳え立つ高層ビルも見えた。
眺めている間、お友だちがインドのカースト制度について教えてくれた。
カーストはヒンドゥー教における身分制度のことで、こんな種類がある。
バラモン | 司祭、僧侶 |
クシャトリア | 王族、軍人 |
ヴァイシャ | 商人、一般市民 |
シュードラ | 農民、漁民、奴隷 |
ダリット | 不可触民、穢れに関わる仕事 |
「バラモン、クシャトリア、ヴァイシャ、シュードラ」と4つの身分があり、カーストの外に「ダリット」という身分がある。
さらに職業を細かく分けると、2,000〜3,000くらいになるのだとか。
カーストは親から受け継がれ、変更することはできないそう。輪廻転生の思想に基づき、前世での行いによって今世をどのように送るのかが決まるらしい。また、今世の善行が来世での良いカーストに繋がると信じられているのだとか。
ヒンドゥー教では人々の体液や血液、死体や排泄物はなどは穢れたものだと考えられ、そのようなものに触れるのは身分が低い人たちの職業なのだそう。
服には人の汗や体液が付いているので、それを洗う洗濯屋さんという仕事はカースト制度に属さない「ダリット」と呼ばれる最下層の人たちに割り当てられたものなんだとか。
ダリットは「困窮した者、抑圧されている者」という意味らしく、インド国民の約18%にあたる2億人ほどいるそう。「不可触民」と呼ばれ、不浄な存在として接触を避けられてきたのだとか。
話を聞いていると、不平等さや生まれ落ちた先によっては尊厳がない人生のように感じるけど、それを彼らがどう思っているのかはわからない。
このような社会に生きたことがない者からは想像もできないことや苦しみがあったりするのかもしれないし、教えの元、今の人生を受け入れているのかもしれない。
ただ、この洗濯場で会った人々は笑顔も多かったし、仕事にも誇りを持っているように見えた。
私にとっては触れてはいけない人でも穢れた人たちでもなかったけど、異国からふらっと訪れただけでは理解できない世界があると感じた。
ってことで、ムンバイの屋外洗濯場はこんな感じだった。

かくれんぼ大会できそう