こんにちは、シャトーブリアンです。
オンライン講師として中国人に日本語を教えていて、今の学校でそろそろ2年が過ぎようとしている。
いろんな学生がいたなぁ。
いろんな学生がいるもんで・・
レッスンは1対1で、学生さんが講師を選んで予約をするという仕組み。レッスンといってもテーマに沿って自由に話をするという形式なので、文法を学ぶというよりかはおばちゃんと世間話って感じ。
で、おばちゃんはまぁまぁ需要があるようで、ありがたいことにいろんな方と話をする機会が多い。2年ともなれば様々な学生さんに会うもので…
怖ぇぇよ
20代男性
ときどき予約が入ってくるんだけど、間隔が結構空くので毎回 誰だっけ?ってなる。で、レッスンが始まって画面に映る彼の部屋を見ていつも思い出す。アイドルのポスターで埋め尽くされたやべぇあの壁で・・
ある日のレッスンで「日本を好きになった経緯」を話し始め、その中で震えるようなことを耳にした。
彼が日本に興味を持ったのは大学生になってからで、それまでは「日本人は死ね」と思っていたらしく、小学生の頃から学校で「日本人は悪い、死んだらいい」という教育を受けてきたんだとか。
こういうウワサを聞いたことはあったけど、本当なんだね。ひぇぇぇ
これだけでも結構怖いんだけど、彼はさらに…
『東日本大震災が起きたときは本当にうれしかった。日本人がたくさん死んだし、みんなで喜んだ』とガッツポーズをしながら言った。
マジか・・
怖ぇぇな
他の学生さんからも学校教育でのアレコレや厳しい情報制限のことなどを聞いたことはあったけど、ここまで感情がむき出しなのは初めてだった。
教育ってすげぇな。
そんな彼は大学でできたお友だちの影響で日本の漫画に出会い、さらには日本のアイドルを知ることになり、そこからどんどんハマっていき、日本に旅行に行ったり、日本人に恋をするほど日本を好きになっていったらしい。
その過程で、今までイメージしていた日本人とは全然違うことに気づき、これまで学校の先生に教えられてきたことに疑問を感じるようになったんだとか。
にしてもねぇ・・三つ子の魂なんちゃらって・・
で、この学生さんはそう頻繁に予約があるわけじゃないのに、レッスンと関係ない日にメッセージが届いた。
『今日は僕の誕生日、ぜひ先生に祝ってほしい。僕は誕生日プレゼントに…』と長々と綴られていた。
は?
怖ぇぇよw
猪八戒の戯言
20代男性
中国の大学を卒業後に就職したけど会社にあまり馴染めなかったらしく、日本への留学を決意。日本の大学院に進学して、日本でずっと働いていきたいらしい。
このパターンの学生さんはかなり多く、留学を経て就職し、一生日本に住みたいとみんな言う。ひぇぇぇぇ
そんな彼とは中国にいるときからの付き合いで、来日し、語学学校を経て、今では日本の大学院に通っている。
アニメなどが好きで分類でいうとオタクなんだけど、常識もあるし、頭も良さそうな感じ。ただ、見た目は猪八戒。
そんな猪八戒、大学院に合格したあたりから色気付いてきた。
髪型やファッションなどについての質問が増え、部屋のおしゃれさなんかにもこだわりだした。
日本に留学してから日本に馴染みたいって感じだったんだけど、進学が決まり、それが一層強まった感じ。かわいいほどにわかりやすい猪八戒。
『日本人はどんな髪型にしますか?』
『日本人はどんなベッドを使いますか?』
『日本人は仕事のあとに何をしますか?』
『日本人は…』
・・って、主語がデカすぎやてw
彼の日本人に近づきたいという想いがそうさせているのかもしれないけど、主語がデカすぎて「人によるんじゃない?」という答えしか出てこない。
とはいえ、「日本では今どんな髪型が流行っていますか?」ってな感じで講師らしいことをしつつ、ネットで検索したイケメンの洒落たヘアスタイルの画像をテキトーにいくつか送った。
だけど、
『こんな髪型周りで見たことがありません』
『本当に流行っていますか?』
『日本人はみんな八の字みたいな前髪じゃないですか?』
と、言ってきた。
知らんがな。
日本人みんなって誰やねん。
髪型に続き、ファッションもいろいろと知りたい猪八戒。
画面越しに買った服なんかを見せてくれるんだけど、お世辞が苦手なオイラにそんな攻撃してくんなよ・・
おばちゃんからすると「自分の好きなもん着たらええんちゃう?」って感じなんだけど、色気付いた猪八戒に付き合う。ま、バイトだから。
大学院で馴染めるといいね、がんばれ猪八戒!
ムリぃぃぃ
小学4年生の女の子
何年か前に日本の小学校に転校してきたようで、毎日他の先生とレッスンをしているそう。たぶん、その先生がお休みのときなんかに予約が入ってきているっぽい。一時期は週一程度だったんだけど、最近はごくごくたまーにという感じ。
オイラは子どもが超超苦手。
ノリがいい子で相手に合わせておけばいいだけの場合は余裕なんだけど、こっちからアレやコレやと仕掛けていくのはマジで難題。
この女の子は自分から発言をすることはないし、恥ずかしがり屋なのかカメラがいつもオフ。音声だけでいろいろ察するなんてムリぃぃぃ。
「今日の学校はどうだった?」
『普通です』
「給食はなんだった?」
『忘れました』
「宿題はもうやった?」
『秘密です』
アイスブレイクの会話はいつもこんな感じ。
ブレイクどころか、こっちがガッチガチに固まってしまうっちゅーの。コミュニケーション取る気全然ないやーん泣
小学生が好きそうな話題や流行りのものなんて全然わからないし、オイラがうん十年前にしていた遊びなんかを話してもまったく通じない。学校が終わればまっすぐ帰って塾や習い事の日々らしく、そもそも友だちと遊んでいないっぽい。
シルエットクイズや家電、はたらく車など、ない知恵を振り絞って毎回なんとか話をしている状態。レッスン中に何度も何度も時計を見て、残り時間の多さに心で大きなため息をついている。
彼女の三種の神器である「普通です、忘れました、秘密です」の刃で何度も切り裂かれ、それでも負けじと次の質問を飛ばしていく・・しんどいってぇぇ
事前準備という給料外のことは極力やりたくないのに、その中で必死に探してきたネタを秒殺しないでおくれよ・・
もう子どもNGを出したいくらいだし、逆に、この先生イヤだNGを出してくれると非常にありがたいんだが。
毎回やっとの思いでゴールに辿り着き、最後の「バイバイ」に少しかわいさを感じつつも苦行を終えたげっそり感がハンパない。
で、終わってすぐに次回の予約が入ってきたときなんかは本当に萎える。今終わったとこやん?次の話題をまた探さなあかんなんて・・すでに気ぃ重いってぇぇぇ
いやいやいや、「選んでくれてありがとう」なんだよね。そうなんだそうなんだ泣
ってことで、来るもの拒まずでいろんな学生さんと話している日々。
この学校でバイトを始める前は中国にまったく興味がなかったんだけど、それが「行ってみるのもありかも?」ぐらいになり、今では「やっぱ興味ないわ、むしろ・・・」になったw

自称人気講師


