日本語教師

ロシアンルーレットな気分だったテスト

こんにちは、シャトーブリアンです。

オンラインで日本語講師をしているのですが、そこであったテストの思い出話。

 

ロシアンルーレットな気分だったテスト

オンライン講師を始めてもうすぐ2年。
ありがたいことにリピーターになってくれる学生さんもいて、そんなリピーターさんのひとり「あおさん」

彼は何人かの先生を組み合わせて、ほぼ毎日学習している学生さん。社会人で趣味で日本語を勉強しているそう。

 

初めて会ったときの印象

あおさんに初めてあったとき、レッスンは初級の中盤くらいでした。

音声の雑味ではないぐらいに聞き取りにくく、文法もむちゃくちゃなので正直全然伝わらない感じでした…

このレッスンレベルはちょっと合っていないのでは?とも思ったのですが、聞き取り力はあり、場面は理解しているけれど答えがむちゃくちゃといった具合。

会話が噛み合っていないような感じだけど、まぁレッスンは終えれました。

 

リピーターになってくれた

その次に予約が入ったとき、前回の何を気に入ってくれたのかがさっぱりといった感じで驚いたのですが、まぁリピートしていただけるのはうれしいものです。

それから週2回くらいでレッスンをしていました。

だんだんと何が言いたいのか、どこで間違いやすいのかもわかるようになってきました。

あおさんの文法はめちゃくちゃだし、単語だけで話すこともあったんですが、興味のあることはすごく話すタイプでした。

全然勉強していないわけではなく、予習もきっちりしているので、基礎が固まっていないうえに変なクセがついて直らないパターンだなぁ…と思っていました。

 

他の先生の反応

レッスン後は学生にコメントを書き、それを講師同士で確認できる仕組みになっています。

先生によってもいろいろなのですが、厳しいことを書いている先生も多かったです。動詞の活用ができない、過去非過去が曖昧という点では基礎をやり直したほうがいいと思っている方も多そうでした。

 

テスト

レッスンが進むとレベルごとにテストがあります。あおさんに会ってから初めてのテストは他の先生が担当されていました。

後日結果を見ると「合格」



大丈夫かいな?w

 

1つ前のテストもよく合格できたなぁと思える感じだったのですが、今回も合格しているじゃないか。

テキストを元に学習していくので、内容がどんどん進んでいきます。間違いをその場で訂正していると、基礎的な部分の修正だけで時間がいっぱいいっぱいになり、テキストが終わらずにその日の表現を理解できないまま終了となってしまうこともあります。

なかなか身につかない・・・

でも合格なら進むしかないよね。

 

 

月日が流れ、その次のテストも合格w

おいおい、大丈夫か?

彼はマジメに取り組んでいるし、毎日レッスンをするという熱心な学生。しかも予習もきちんとしてくるのです。

ただ、訂正しなきゃいけないところは多いし、それに時間が裂かれてテキストが終わらないときはもったいなさを感じてしまう・・・

レベルと合っていないのはあおさんにとっても負担な気がするんだけどなぁ…

 

 

さらに月日は流れ、その次のテストもまた合格・・・

「えぇっっ?!」であるw

 

先生方は「ぎりぎり合格、復習ありきで」のようなコメントを添えているので、渋々といったご判断なのかな?

それでも、明らかにレベル相応ではないと思うんだけどなぁ。

 

ここまで進んでしまったレベル。

こうなりゃ次のテストには当たりたくないもの…。レッスン状況から見ても合格を出すには厳しすぎる今である。

頼む、テスト回ってくんなよぉ〜!

 

 

ロシアンルーレットで大当たり

ハワイ旅行を引き当てるくらいの運に恵まれたワタクシ。いらぬものも引き当ててしまうこともある。

キターぁぁぁ泣泣泣

ついに次のテストが回ってきてしまった・・・

もうこれってロシアンルーレットみたいな感じだよね。そろそろ毒入りの残りが見えてきたところでその毒入りを引いてしまったよ…

 

 

風向きが変わる

前回のテストを過ぎたあたりから、先生方のコメントが変わってきました。

努力をすごく讃える > できない点

今まではできない点を指摘されている先生が多かったのですが、予習を褒めてみたり、継続を褒めてみたり「すごくがんばっています!」という内容に変わってきた。

そういうコメントが現れはじめると、なぜか風向きがそちらの方向になり、みんなこぞって褒め出したのです。

 

え、なんで?w

「この人全然できません!」と言っていた人たちが「めちゃくちゃ頑張り屋さんなんです!」と変えてきた。

たしかに頑張り屋さんではあるけども…

 

ちなみに私のコメントといえば、学生に向けには書くけれど、講師向けの引き継ぎ内容などはないw

 

 

いよいよテスト

キャンセルにならないかな?なんて期待をするくらいの最低講師w

そんな思いをよそにテストが始まった。

テストといっても既習内容からだし、なんなら事前に学生もテスト内容を予習することができるのです。

 

結果は・・・

ごめん、不合格だわ。

 

長い付き合いであおさんに慣れているからこそなんとか理解できる。それでも全くわからない部分もあり「答えが噛み合わない」「話が迷宮入り!」なんてのがたくさんありまして…

 

 

合否に悩む

最終的には不合格にしたのですが、決断までにかなり悩みました。

普段は間違えた部分をメモって合否を出すんですが、今回ばかりは録画を見直しました。何回も…

 

次のレベルからは学習形態も変わるし、語彙を増やしたり、表現を学ぶというよりかはアウトプット中心になる。かなり厳しい…

先へ進めば苦しいのはあおさん。
だけど、いつもわかってなさそうでも楽しんでいるのは伝わってくる。日系企業にお勤めとかではないし、留学や試験を受ける予定もない。趣味での学習なら次へ進めるほうがいいのかな?

ちゃらんぽらん講師にしてはかなり悩みました。

 

先生方の風向きに反し、学習者の意欲も落とすことになる。もしかしたら学習をやめちゃうってこともあるのかも?でもでもでも、せっかく学ぶなら「伝わる喜び」も知ってほしいなぁって。

 

 

不合格にしたその後

現在のレベルが終わるまで何回か予約をしてくれました。

特にテストの感想を話すわけでもなく、いつも通りなあおさん。あれ?あんなに悩んだけど、不合格ってダメージがないものなのかな?w

 

しかし、その後は予約が入らなくなったので少し気になってしまい、彼の学習履歴をたどってみると…

次のレベルに進んでいましたww

 

この学校の仕組みをよくわかっていないのですが、不合格でも次に進めるんだったんねw

ただ、そこから少し学習して3か月ほどお休みをされていました。その後、違うテキストで少しレベルを下げて再び学習を始めたようです。

あぁ、続けてくれているなら良かったぁ。

そのテキストは担当していないので会うことはないのですが、「もう日本語イヤやぁ!」にはなっていないようでホッ・・・

 

 

 

ということで、ロシアンルーレットで大当たりを引いて、ちょっと悩んでしまったという思い出でした。

あおさん、引き続き日本語を楽しんで〜!

 

 

 

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